目次
ローズマリー〜抗菌作用とボケ防止のハーブ
ローズマリー Rosemary
ローズマリーは抗菌力に優れ、アンチエイジングなど様々な用途で利用されているハーブです
学名:Rosmarinus officinalis (オーズマリネス・オフィキナリス)
和名・別名:まんねんろう(万年郎)、メイテツコウ(迷迭香)
科名:シソ科
使用部位:葉部
植物分類と歴史
ローズマリーはシソ科マンネンロウ属の植物で地中海沿岸地域の特にフランス、ユーゴスラビアの西部海岸地方の海に近く湿度の高い土地、石灰質の丘陵上に広く分布している多年草の常緑樹だ。60㎝~150㎝の高さに育つ灌木で、その葉は細い針に似ていて、上のほうは暗緑色で下のほうは白っぽい色をしている。
*灌木(かんぼく)とは、成長しても樹高が3m以下の木のこと。草っぽいイメージがわくローズマリーだが、実際は「木」に分類され、長年たつと茎が木質化するのも特徴。
ローズマリーの種類も多種多様あるが、基本、生育パターンに特徴が分かれるので、ここでは3つに大別して紹介する。
1、立性(たちせい)
代表的な生育タイプで上へ、上へ垂直に伸びていくか扇形に広がるタイプ。高さが200㎝以上になることもある。
2、匍匐性(ほふくせい)
「匍匐」とは地面をはうように伸びていくという意味で上に伸びることはなく、草丈も20から40センチと高さがなく株丈も低い。
3、半匍匐性(はんほふくせい)
立性と匍匐性が混ざったタイプで草丈100から200㎝で横方向に伸びた後、上方向に伸びるタイプ。
ローズマリーという名前にまつわる伝説もいくつかあるが、有名なものはキリスト教にまつわる話だ。ヨーロッパを代表するハーブの一つだけあって宗教的な逸話は絶えない。中でも有名な逸話を紹介する。
聖母マリアがキリストを抱きかかえてヘロデ王の迫害(共和政ローマ末期から帝政ローマ初期にかけて、ローマの承認のもとに王としてユダヤを統治した支配者でキリスト教徒を迫害した)を逃れてエジプトへと逃亡中、白い花が咲き乱れる中に立つ木に身に付けていた青いマントをかけて休憩していたが、マリアが目をさましてあたりを見渡した所、白い花がマントと同じ青色に変わっていたため、このハーブをマリアのバラ(Rose of Mary)と呼ぶようになったという話が有名だ。そのため中世以降、ローズマリーの強い香りもキリストが悪魔を払うために授けたものだと信じられてきた背景がある。ローズマリーの学名はラテン語のrosmarinus(海のしずく)を意味しており、海岸にごく近い所に育つことに由来する。その青く小さな花がまるで海のしずくのように見えたことからRos(露) +marinus(海の)と名づけられたとも言われる。
ローズマリーはその薬効ゆえに古代ローマ人やエジプト人を含む地中海文明圏では万能薬であった。ディオスコリデス、ガレノス、プリニウスなどが薬効を記している。また古代メソポタミアでは、すでに料理の食材として利用されていた文献もある。古代メソポタミア文明は楔形文字で有名だが、フランスの歴史家ジャン・ボッテロは、この粘土板に楔形文字で刻まれている料理レシピを解読した。これが、「人類最古のレシピ」と言われ、邦訳もある書籍として出版され、ローズマリーも他のサフラン、ディル、コリアンダーとったスパイスなどとともに記載されている。古代メソポタミア文明と古代エジプト文明は、その時期も重なる部分があり、地域も近く、これら2つの文明がギリシャ・ローマを経由して、現在の西洋やアラビア社会へ伝わったとされている。その過程で、アラビア、エジプト原産のハーブたちがヨーロッパへ伝えられていくことになった。その一つがローズマリーだった。古代ギリシャでは頭脳を明晰にし、記憶力をよくするハーブと信じられていたようで、学生は試験前にローズマリーを花輪に編んで、髪に結んでから試験に挑んでいた。
また記憶力から「不変の愛の結びつき」という意味に転じ、愛と忠誠のシンボルとしても親しまれていたようだ。現在でもヨーロッパの一部や地中海周辺では、結婚式の際新婦から新郎へ、生涯貞節を失わないようにとローズマリーの花束が贈られる習慣が残っている。また聖アグネスの日(1月21日)の前夜に、ローズマリーの枝を枕の下に入れて寝ると、夢の中に未来の花婿が現われるなど、ロマンティックな伝説がいくつも伝えられている。中世ヨーロッパでは魔除けの聖木として古くから使われ、花嫁が一枝身につけるという習慣もあった。 このように、ローズマリーが結婚式、弔い、教会の行事などに取り入れられて西洋の生活と深く結びついてきた背景には、ローズマリーのもつ「脳の働きを高め、記憶力を高まる」と書き記した当時の本草学者たちの功績が大きいと考えている。また、シェイクスピアの悲劇「ハムレット」第4幕第5場で錯乱したオフィーリアが恋人と間違えて兄に向ってこう言っている。“There’s rosemary, that’s for remembrance; Pray you, love, remember.”(これがローズマリー、思い出をなくさない花よ。お願い、私のこと忘れないでね。)と。
シェイクスピアの時代でも記憶が良くなるハーブと認識されていたのかは定かではないが、ローズマリーにはそのような薬効が認められてきたようだ。
日本に入ってきた正確な時期は不明だが、19世紀はじめに書かれた書物に「マンネンロウ(万年蝋)メイテツコウ(迷迭香)とも呼ぶ。」)」の名前で記載されたのが最初とされる。葉から抽出した精油は「迷迭油」と呼ばれ、石けんなどに香料として用いられていた。そもそもはマンネンコウ(万年香)だったと考えられるらしいが、他の説としては常緑の姿が若い男性をイメージさせることから万年朗となったという説もある。
ローズマリーのもつ強力な抗酸化力は、中世ヨーロッパにおいては、病から身を守るハーブとして、また若返りのハーブ(アンチエイジング)として美容分野でも利用されてきた歴史を持つ。有名なハンガリアン・ウォーターをご紹介する。
●美容とローズマリー
ハーブに興味のある女性のかたなら、ローズマリーと言えば、ハンガリアン・ウォーターを思い浮かべる方も多いのではないだろうか。14世紀のハンガリーの王妃エリザベート*がローズマリーを主成分とした「ハンガリアン・ウォーター(ローズマリーをアルコールと蒸留したリキュールのようなもので、当時は薬用や香水として使われていた)」を使用して若さと美しさを保ち、70歳にしてポーランドの国王からプロポーズされたという逸話はあまりにも有名だ。
ハンガリーの王妃エリザベート
ローズマリーの成分はアンチエイジング効果を期待され、様々な化粧品で用いられていることからも、あながち信憑性のない話ではない。ただ史実としては、実際にハンガリアン・ウォーターが製造され始めたのが16世紀頃なので、14世紀のハンガリーで実際に普及していたかどうかは定かではない。ハンガリアン・ウォーターが修道士によってエリザベートに献上されたのが1370年ごろと言われる。その当時のポーランドの王はエリザベートの子供だったので、意外と真相は「母親にキレイであってほしい息子がハンガリアン・ウォーターを献上した」というところではないかと思われる。その後1370年にエリザベートの直筆のサインがあるローズマリーをメインにした処方箋が発行された。これが、ハンガリアン・ウォーターの原典ではないかと言われている。いまでのその処方箋は、ウィーン国立図書館に保存されている。そのハンガリアン・ウォーターは18世紀にオーデコロンが登場するまで、ヨーロッパでは広く愛用されていた。
同様にオーデコロンも意味は「ケルン・ウォーター(ケルンの水)」なので、中世ヨーロッパにおいては、香水の元はこのような植物の成分を抽出した薬用ウォーターだったのだろう。ハンガリアン・ウォーターは香水、民間薬として、ヨーロッパ各地で伝えられるうちに、さまざまなバージョンが派生する。最初に、レシピがきちんとまとめられたのは1795年のイギリスの家庭医学書で万能薬として紹介されたことがきっかけで化粧水として利用され始めたようだ。
*エリザベート(イザベル)Ⅰ世(1305-1380)はポーランド王の皇女であったが、ハンガリー王カーロイ1世と結婚しハンガリーの王妃となる。歴史的に非常に有名なバイエルン王だったルードウィッヒ2世(ノイシュヴァンシュタイン城の城主でも有名)と恋仲であったエリザベート皇后とは別人だ。ヨーロッパにはいろんなエリザベートがいたので、ご注意。
安全性と相互作用
安全性:クラス1
相互作用:クラスA
(Botanical Safety Handbook 2nd edition アメリカハーブ製品協会(AHPA)収載)
学術データ(食経験/機能性)
<食経験>
ローズマリーはいくつもの香り成分を持っていて、爽やかだが、複雑さも持ち合わせた香りを放っている。生のローズマリーを噛むと少し苦く、辛みがある。ウスターソースの添香料の一つでもあることを知っている人も多いだろう。
このローズマリーを肉や魚に添えてオーブンで焼くとマスタードの様な香りづけをしてくれる。感謝祭のターキー(七面鳥)やクリスマスのローストチキンのお腹にも、たっぷりのローズマリーが仕込まれていたりする。16、17世紀の料理書にはローズマリーを使った料理が数多く残されている。花は砂糖漬けにしてローズマリーシュガーとして好まれていた。また、その香りが地中海料理やリタリア料理にはよく登場する。特にイタリア料理では伝統的にローズマリーが多用されたようだ。有名なフォッカチャにもローズマリーは欠かせない。またローズマリーとジャガイモの相性は抜群で、イタリア料理でもセコンドピアット(メイン料理)の付け合せとして、ジャガイモの角切りにローズマリーの葉のみじん切りをまぶしオリーヴオイルを回しかけてオーブンで焼いて食べる。それ以外にも生葉もしくは乾燥葉をオリーブ油やワインビネガーにつけたり、葉をそのままもしくは粉末にし、料理のスパイスとして使う。甘い香りとほろ苦さが魚や肉料理の香りづけに良く合います。ラムとの相性も良い。中世のヨーロッパではローズマリーは食材というよりは、エッセンスとしてその香りが中世の人々の嗜好をそそるものだったのだろう。
このように中世ヨーロッパでは貴族の料理に欠かせなかったローズマリーだが、その機能性は、何と言っても抗酸化力と血行促進、脳機能活性が最も目立つ機能性だ。タンニン類であるロズマリン酸やカフェ酸、ジテルペノイドであるカルノシン酸やカルノソール、ロスマノール、フラボノイドであるルテオリン、クリシン及びそれらの配糖体がある。ローズマリーのポリフェノール成分の中で最も含量が多いのがカルノシン酸で、カテコール骨格を有しており強い抗酸化活性を示すため食品の酸化劣化を防ぐ目的で食品添加物としても利用されている。その他にカルノシン酸には、抗ガン作用、抗菌活性、抗炎症作用、潰瘍抑制、脂肪蓄積抑制効果、白血病抑制作用など様々な活性があることが報告されている。
またボルネオール、カンファー、ピネン、シネオールなどの精油成分も多く含み、強い抗酸化作用や炎症抑制作用があることが知られている。また記憶力を増強し、認知症改善効果があることも示唆されている。ローズマリーの香りは持続性が高く樟脳に似ている。そのため調理に使う場合は他の材料の味や香りを隠してしまうほど強いため、控え目に使用する必要がある。またローズマリーを入れて入浴すると、血行が促進されて温熱効果が高まり、リュウマチ、神経痛、関節痛、筋肉痛 のほか、風邪の諸症状、ぜんそく、神経衰弱に効果がある。ただし、高血圧などの方は要注意だ。
ところで中世のハーブ療法の研究において重要な文献でもある『バンクスの本草書』をご紹介しておく。1526年にピーター・トレヴェリスによって出版された『大本草書』(The Grete Herball)と並び、中世のハーブ研究において有益な情報が集約されている文献である。ハーブや野草の用途や健康への影響などを詳述するが、効能や処方よりは、植物の形態に記述の重点を置いている点に特徴がある。ハーバリストで有名なジョン・ジェラードの本草書(1597年)などと異なり図版は収録されていないが、ローズマリーの記事など所々に詩的な表現も見られる。『バンクスの本草書』には、次のように記されている。
もしも汝が「ローズマリーの花を摘んできて大箱に入れ、なかの衣類や書籍の間にはさんでおけば、害虫がつくこともないであろう。
……また、ローズマリーの花を摘んできて粉末にし、亜麻布に包んで、右腕に結びつけておけば、明るく陽気になるであろう。
……ローズマリーの葉を自ワインで煮詰め、その煮汁で顔を洗いなさい。
……そうすれば、汝の顔はきれいになるであろう。また、枕の下にその葉を置いて寝れば、悪夢にうなされることもないであろう。
…… さらに、ローズマリーの木片で箱をつくり、その香りを嗅いでいれば、老けこむこともないであろう。
以下に簡単にローズマリーの機能性をご紹介する。
●抗老化
ローズマリーから得られるジテルペン類は酸化物の生成や脂質過酸化も抑制する働きが報告されている。なかでもカルノシン酸は酸化的ストレスから生物組織を保護するという働きがあり、体のサビつきや動脈硬化を予防する効果が期待されている。またローズマリーの名前から由来されるロズマリン酸はローズマリーに多く含まれるポリフェノールで活性酵素を除去する働きを持っている。赤ワインやカテキンなどでもなじみ深い成分でもある。
●脳機能活性、精神安定
ローズマリーの香りのもとは、ボルネオール、カンファー、ピネン、シネオールなど頭をすっきりさせ、集中力や記憶力を高める働きが報告されている。また神経を刺激して脳の働きを促し、頭の中をクリアにしてくれる。最近脳内ストレスを低下させるためアルツハイマー型認知症にも良いと注目されてきている。よくテレビの健康番組などでボケ防止に良いと精油が紹介されているが、お年寄りが長時間、アロマセラピーなどの高濃度の精油成分を嗅ぎ続けると、脳に悪影響を及ぼすこともあるので注意が必要でもある。特にカンファーにはニコチン同様の常用性(嗅いでいないとイライラしてくる)も報告されているので、1、2時間も部屋を精油の香りで芳香浴する場合は必ず換気をしてほしい。そういった重要なことは健康番組では触れないので、植物療法を推進する立場としては危惧している。その他には気分をはれやかにして精神を安定させ、神経系の調和をとる働きも報告されている。
●代謝促進
ローズマリーのジオスミン(geosmin)という成分の代謝促進作用も知られている。ジオスミンといえば、雨の降った後の匂いで、湿った土壌中の細菌が出す物質として知られるが、ローズマリーのジオスミンは弱った血管を強くし、体の血行を促進したり、代謝を良くしてくれる。また駆風作用、胆汁の分泌促進作用があるので、食欲不振や消化不良に有効で体調を整えてくれる。ハーブティーなどに活用して少しづつ、利用すると良い。ただし妊婦さんには刺激が強いので多量摂取は避けてほしい。また高血圧にもあまり良くない。さらに注目されているのはロズマリン酸の糖の消化を妨げる作用だ。体内に取り入れられた炭水化物はブドウ糖に消化されて吸収されるが、ロズマリン酸は麦芽糖をブドウ糖に分解する酵素であるマルターゼの活性を抑え、ブドウ糖に変化させないようにすることが報告されている。つまり麦芽糖は体内に蓄積されることなく排泄されるため体内の糖分吸収を減らすことができる。
●鎮痛
西洋では古くから植物療法としてローズマリーの抽出液を塗り、痛み止めとしても使用されている。湿布や塗り薬として用いられることが多く、リウマチや神経痛の痛みを和らげることにも有用だ。前述のエリザベートもリウマチだったと言われハンガリアン・ウォーターを緩和に使っていたと言われる。ただし肌の弱い方はローズマリーの刺激から肌が荒れてしまう可能性があるので注意して使ってほしい。
●美容分野
ローズマリーは化粧品としても肌の毛穴を引き締める効果などで、エキスが利用されている。収れん作用で毛穴をひきしめ炎症を抑えてくれる。特に脂性肌の方のケアに向いているのでさっぱりした化粧水として活用できる。また線維芽細胞の活性化という点が注目されている。ヒト皮膚線維芽細胞の増殖実験により、FGF以上の作用があることが確認されたという報告がある。
●育毛
円形脱毛症の患者を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、ローズマリー、タイム、ラベンダー、シダーウッド含有エッセンシャルオイルを用いて7ヶ月間マッサージを行ったところ、44%の対象者に髪の毛の生育の回復が見られたという報告もある。ローズマリーは毛髪の健康にも有用だ。血行促進や抗酸化作用によって毛根の血流改善につながるのだろう。毛根が残っている人には有用ということなのかもしれないが。笑。またハーブティーをスプレーにしてフケ防止用の整髪料として使うこともできるので試していただきたい。
*ローズマリーを摂取する際の注意点
食物に含まれる量を摂取するのは安全だが、濃度を調節していない精油を原液などで使用する場合、妊婦の方、高血圧の方、てんかんの方は使用をお控えてほしい。
<植物療法レシピ>
前述のハンガリアン・ウォーターの作り方をご紹介しておく。ぜひお試しあれ。
ハンガリアン・ウォーター(チンキ剤)の作り方)
<材料>
*ローズマリー10g
*ウォッカやホワイトリカーなどアルコール35度以上のスピリッツ300ml
*400mlくらいの保存容器(煮沸済み)
*その他ペパーミント、ローズペタル(バラの花びらのハーブ)5g、レモングラス5gなどを加えても可
<作り方>
1、ハーブを保存容器に入れる。
2、ハーブがひたひたに浸かるように良く振ってアルコールとなじませる。
3、約2、3週間ほど抽出。時々ビンを振って中身を混ぜておく。
4、できあがったら茶漉しやコーヒーフィルターを使ってハーブを濾す。
5、抽出液(チンキ)を精製水で薄めて、ハンガリアン・ウォーターの出来上がり。
*化粧水を作る時はチンキ剤0.5%を目安に薄める。
(100mlボトルでチンキ剤5ml+精製水95ml)
*作ったハンガリーウォーター(化粧水)は冷暗所で保管し、2~3週間で使い切ること。
<海外のサプリメント事情>
日本ではローズマリー抽出物は食品に対して、味、臭いなどの悪影響をあたえないため、酸化防止剤などの食品添加物としても利用されているが、海外サプリメントではロズマリン酸、カルノソール、カルノシン酸およびロスマノールのようなローズマリー抽出物成分は、ビタミンEおよびBHT (2および6-di-tert-ブチル-4-クレゾール) より強い抗酸化機能を有しているため、特にカルノシン酸、ロズマリン酸を中心とした抽出エキスとしてサプリメント原料としても多く利用されている。またドイツでは外用により血行不良の補助的治療での使用やヒト試験で脳や神経系での有効性が評価されている。さらに消化不良症状の改善のために内服したり、リウマチや血行不良などの補助的な治療として外用することを認可している。コミッションEでは肝臓と胆汁の機能を高めるための使用および末梢部の循環障害治療および外傷の治癒の促進と消毒薬として、ローズマリー製品の使用について記載している。あと欧州食品安全機関(EFSA)でも、抽出方法の異なる5種類の抽出エキスのうち4種類のローズマリー抽出物に対して行った遺伝毒性試験の結果、これらには遺伝毒性の点で安全上懸念を及ぼすことはないという結論に至っている。
(文責 株式会社ホリスティックハーブ研究所)
参考図書
「The Green Pharmacy James A Duke著
「The complete New Herbal Richard Mabey著」
「Botanical Safety Handbook 2nd edittion アメリカハーブ製品協会(AHPA)編集」
「メディカルハーブの辞典 林真一郎編集」
「ハーブの安全性ガイド Chris D. Meletis著」
「薬用ハーブの機能研究 CMPジャパン(株)編集」
「Fifty Plants that changed the course of History Bill Laws著」
「ハーブの歴史」ゲイリー・アレン著
「最古の料理」ジャン・ボッテロ著
「ヨーロッパの食文化」マッシモ・モンタナ―リ著 山辺規子・城戸照子訳
「中世ヨーロッパの生活」ジュヌヴィエーヴ・ドークール著大島誠訳
「マリー・アントワネットの植物誌」エリザベット・ド・フェドー著
「西洋中世ハーブ事典」マーガレット・B・フリーマン著
「カルペッパー ハーブ事典」 ニコラス・カルペッパー(著)
「ハーブティーブレンドレッスン」ハーブティーブレンドマイスター協会編集
データベース
Proceedings of the National Academy of Sciences
健康食品データベース 第一出版 Pharmacist’s Letter/Prescriber’s Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳
米国国立医学図書館 PubMed®
最近のコメント