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情熱の赤と天然の酸味が疲れを癒す〜ハイビスカス

ハイビスカス〜情熱の赤と天然の酸味が喉の渇きを癒す!

ハイビスカス Hibiscus

ハイビスカスは、鮮やかなワインレッドの色と、さわやかな酸味が女性に人気のハーブです。

学名:Hibiscus sabdariffa (ヒビスクス サブタリファ)

和名・別名:ローゼル/カルカデ、ブッソウゲ(仏桑華)、アカバナー(沖縄名)洛神花〔ラクシンカ〕

科名:アオイ科

使用部位:がく部


leaf3_mini 植物分類と歴史

ハイビスカスは一種類の木ではなくアオイ科ヒビスクス属に分類されるすべての植物を指す。この定義で言うと、ヒビスクス属は世界の熱帯・亜熱帯を中心に250種ほどの野生種があり、それらすべてがハイビスカスと言うことになる。一般的にハイビスカスと呼ばれている南国系の真っ赤な花はハワイアン系とされており、日本名でブッソウゲ(仏桑華)といわれ、主に観賞用として親しまれている。ブッソウゲやその他の野生種を掛け合わせて作られた品種の総称がハイビスカスだ。オールドタイプとも呼ばれる種類だ。

園芸種のハイビスカス(左)とブッソウゲ(右)

ルーツとなっている野生種は約20種とされる。元となった野生種は大きく分けてインド洋諸島原産種とハワイなど太平洋諸島原産種に分けられ、これらをハワイの農業試験所で人の手によって掛け合されてできたのが、現在見られるハイビスカスの始まりらしい。今までに何千もの品種が作られたが、ほとんどがハワイで改良されたそうだ。ハワイアンタイプと呼ばれる。また沖縄でも代表的な植物だが、コーラルタイプと呼ばれ、明治時代にシンガポールから伝わったと言われている。このハワイや沖縄など南国イメージで親しまれている赤い花木のハイビスカスは別種の園芸用・観賞用で、食用・飲用にはならない。
一方、食用のハーブとしてハーブティーやサプリメントなどに用いられているハイビスカスがローゼル種という品種であり、こちらがメディカルハーブとして利用されるハイビスカスだ。

ローゼル種Hibiscus sabdariffa の花とガク

ローゼルはMalvaceae (アオイ科)に分類される熱帯地域に生息する多年草(地域によって1年草))植物だ。属種が Hibiscus sabdariffa のため、総称でハイビスカスとも呼ばれてしまうわけだ。
原種はアフリカ西南部原産のアオイ科フヨウ属の植物で、一年生または多年生の亜低木。食用を中心とした様々な目的で原産地をはじめ東南アジアやその他の熱帯、亜熱帯で幅広く栽培されている。草丈は1~2m、茎は紅紫色になるものと淡い緑色のものがあり、11月~12月にかけて葉の付け根に直径10cmほどの花を咲かせる。花色は赤みがかったものとクリーム色のものがあり、いずれも中心が暗褐色になる。花後は果実を包む鮮やかな紅紫色の萼(がく)が厚く肥大し、熟した萼(がく)は多汁質でクエン酸や酒石酸を多く含み、乾燥させたものがハイビスカスティーの原料となる。この果実(萼部)は甘酸っぱいフルーティーな香りがし、熱湯を注ぐと鮮やかな紅色が広がり、甘味を感じる芳香を放つ。雑味のない酸味と濃厚な旨みが快く、視覚・嗅覚・味覚を刺激する夏の定番ハーブティーの一つだ。
開花から数日後、種を包む鮮やかな紅紫色の萼(がく)が厚く肥大してから収穫する。

水洗いした萼の下部をナイフでカットし、箸などで種を押し出しで咢だけにする。


※この段階で実の半分位の重さになる。

ローゼルの原産地はエジプトであるという説もあるが、アフリカのナイジャー(Niger)川への源流であるとも言う。いずれにしてもアフリカ原産は間違いなさそうである。産地としては、ドミニカ、グアテマラ、ハイチ、インド、イラク、メキシコ、パナマ、スーダン、トルコ、タイ、スーダン、中国、メキシコ、エジプト、セネガル、タンザニア、マリ、ジャマイカの国名が主生産国として挙げられている。世界最大のローゼルの輸入国はドイツで、食用のほかには医薬、香料としての利用である。次が米国だ。


leaf3_mini 成分ほか

植物酸(クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸)/アントシアニン色素(ヒビスシン)/粘液質、ペクチン/ミネラル(鉄、カリウム)

leaf3_mini安全性と相互作用
安全性:クラス1
相互作用:クラスA
(Botanical Safety Handbook 2nd edition アメリカハーブ製品協会(AHPA)収載)


leaf3_mini 学術データ(食経験/機能性)

古代エジプト時代には「神に捧げる花」と呼ばれるアオイ科フヨウ属の植物の何かの抽出液が利用されていたことは史実としても残っている。ピラミッドを積み上げた労働者たちも、その天然の酸味によって、喉の渇きをいやし、ガーリックと同様、体力維持のためにも活用したと言われている。またナイル河畔では、種子を炒めて食べたり、葉を食用にしたり、茎は繊維に利用されていたという記録もエーベルス・パピルス*に記載されている。
(*世界最古の書物紀元前1550年頃に書かれた古代エジプト医学について記したパピルスとしては、最も古く最も重要なものである。)

ローゼルが南米へ持ち込まれた証拠として、ジャマイカでは現在でも「Te de Jamaicaテ・デ・ハマイカ」叉は「Agua de Jamaicaアグア・デ・ハマイカ」という名で暑さをしのぐためのお茶として、またウエルカムドリンクとしても親しまれている。英語的に直訳するとジャメイカン・ティー、ジャメイカン・ウォーターです。なぜ、ジャメイカ(ジャマイカ、Jamaica)なのかはわからないが。

Te de Jamaicaテ・デ・ハマイカ

エジプトではカルカデという名でハイビスカスティーが飲まれている。熱帯アフリカの乾燥地で広く栽培されている野菜の一種ジースマから北アフリカ原産の野菜である酸味のある葉は、炊き込みご飯の具やスープに使用されるこのジースマをトンブクトゥ地方のソンガイ語でローゼルと呼ばれていたことから、ローゼルと呼ばれるようになったと言われる。
また、セネガルではハイビスカスを濃く煮出して砂糖を入れた飲料ビサップが知られる。最近ではフェアトレード製品として輸出されているそうだ。

ビサップ

タイでは “Kra-Jieb-Daeng (赤い)グラチアップ” と呼ばれ Hibiscus Sabdariffaの同種。これの甘いジュース(ナム・グラチアップ)は、暑い国タイでよく飲まれる飲み物のひとつだ。

ナム・グラチアップ

飲み物としては各地で伝統飲料として親しまれているが、食用としても利用価値は高い。白い花も食べることができる。午前中の数時間しか咲かないローゼルの花は、花オクラに良く似た食感でふわっととろける不思議なおいしさ。新鮮なうちにガクや若葉も一緒にサラダなどでも食べることができる。九州や沖縄あたりでは、よく食材で使われている。私も幼い頃、鹿児島の実家で庭に生えていたローゼルの花を摘んで、フライパンで炒って塩を振りかけて親父が酒のつまみにしていたのを思い出す。そのほかにもおひたしやおにぎりの具としてなど、幅広く利用されている。


ハイビスカスときゅうりの酢の物 とおにぎりとジャム

天日に干して乾燥させておけば、1年中ハーブティーやソルト作りなどに使えて便利だ。がくと同じように葉や茎も乾燥させたものは、爽やかな酸味のあるおいしいハーブティーになる。

●スポーツドリンクとして
ローゼルティーの名を一躍世に広めたのは東京オリンピックの際にマラソンの王者アベベ選手やドイツの選手団がローゼルティーを天然のスポーツドリンクとして試合中に飲み、見事に金メダルを獲得したことによると言われている。ご存知の方も多いだろう。日本からしてみれば”なんだこの不思議な赤い飲み物は?”と感じるぐらいの驚きだったと聞く。その後ローゼル(ハイビスカス)ティーは、東京オリンピックの開催と同時に日本でも広く知れ渡るようになり、ついにはスポーツドリンク用としてもつくられることになっていった。
ヨーロッパではローゼルにハチミツを加えて作るリモナーゼ剤が風邪の引き始めや病中病後の体力を回復させたい時の飲みものとしても利用される。ドイツでは、飲み物の天然着色料として重宝され、ジュースやリキュールなどに利用されている。鮮やかな色合いとさわやかな酸味から、ブレンドティーに広く利用されている。特に天然のビタミンCを豊富に含むローズヒップとのブレンドハーブティーは、栄養補給や美容効果を大きく高め、またハイビスカスの酸味をまろやかな味わいに変化させてくれる最適な組み合わせとして知られる。この特徴的な味わいである酸味には、クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸などの酸味成分が含まれる。クエン酸には細胞の生まれ変わりを促進させる作用があり、代謝を向上させる効果がある。リンゴ酸は、クエン酸よりも甘みを持つ酸味成分でクエン酸の働きをサポートする役目を担える。このクエン酸とリンゴ酸の相乗効果によって、新陳代謝の向上による美肌効果がよく訴求されているわけだ。さらにアントシアニン、ポリフェノール、アミノ酸、鉄、カリウム カルシウム、マグネシウムなどミネラルも豊富だ。

<機能性>
●血流改善、むくみ予防・改善
血流を改善する効果が期待されている。クエン酸は、脂質の代謝を促進する栄養素なので、血液中の脂質を分解する作用がある。脂質は体内で酸化するとLDLコレステロールへと変化するわけだが、クエン酸が脂質の代謝を促すことでDLコレステロールを抑制し、血流を改善する効果があるという報告がある。さらに機能性成分としてプロトカテキ酸とエスクレチンが含まれており、LDLコレステロールの酸化を抑制することで、高コレステロール血症予防と動脈硬化予防効果も期待される。(*1、2)
また血流の改善や、適度な排尿などによる余分な水分の排出などがむくみなどの効果的な対処法のひとつだ。カリウムも含まれているので、利尿作用が相乗的に期待できる。このクエン酸の血流を改善する作用とカリウムが持つ利尿作用によって、むくみを予防・改善する効果が期待できる。
●疲労回復効果
クエン酸といえば、疲労回復。激しい運動後などに体内に残る疲労には、乳酸という物質が深く関与していることはご存知の通り。乳酸は、ブドウ糖やグリコーゲンなどをエネルギー源として運動を行った後に、体内に乳酸が多くできる。一部はエネルギー源として再利用されるようだが、乳酸の生成が消費を上回ると乳酸が蓄積することになる。乳酸の生成過程で発生する水素イオンの影響により身体が若干酸性に傾くこと、エネルギー源である筋グリコーゲン(糖)の蓄えが少なくなることが筋肉疲労の原因と言われる。また筋収縮は筋小胞体からカルシウムイオンが放出することで起こるが、ATPやクレアチンリン酸(ATPの代わりに骨格筋ででき、速効のエネルギー源となる物質)が分解されてできるリン酸がカルシウムイオンの放出を阻害して筋収縮が行いにくくなることなども筋肉疲労の原因のひとつとして考えられている。ローゼルに含まれているクエン酸やリンゴ酸には、疲労物質である乳酸を分解する作用を持ち、またカリウムの利用作用も相まって、運動後の疲労を回復させる効果が期待されている。最近の研究報告で、運動や暑さで疲労した状態はグリコーゲンが消費された状態で、ハイビスカスに含まれる有機酸を糖分と一緒に摂ると、 肝臓・筋肉内でのグリコーゲンの補充が促進され、運動前の状態に戻るのが速くなるという研究報告がある。ちょっとご紹介しておく。
「サッカー選手の男性54名 (イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、トレーニング後に緑茶抽出物 (18名、平均20.94±1.43歳) またはハイビスカス萼抽出物 (18名、平均20.71±1.26歳) を450 mg/日、6週間摂取させたところ、酸化ストレスマーカーである血清マロンジアルデヒド濃度の低下が認められ、ハイビスカス摂取群のみ総抗酸化能の上昇が認められたが、筋損傷マーカー (AST、CK、LDH) に影響は認められなかった (PMID:27736246) 2017 」
●コレステロール値の低下
クエン酸とリンゴ酸には代謝を促進させることによって、脂肪の分解を促進することも知られている。リンゴ酸は酢酸やクエン酸からも生成される栄養素ですが、体内で合成されるリンゴ酸は脂肪を合成させる働きを持つため、植物から摂取することが効果的とされる。またハイビスカス酸は、アミラーゼの活性を阻害することによって、コレステロールを低減させる効果が期待されている。アミラーゼによってつくられる糖質はコレステロールの生成に関与しており、糖質が過剰に吸収されることが、体内におけるコレステロールの生成を増加させる要因のひとつであるといわれている。クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸などの相互作用によって、ハイビスカスは脂肪の燃焼を促進する効果が期待される。(3)

【参考文献】
1、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20089773
2、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11902968
3、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19330881


<ハーブティーの活用>

  
飲み方:小さじ1 蒸らし4~5分
ハイビスカスティーは冷やして飲んだり、オレンジジュースで割って飲んだり、サングリアの赤ワインの代わりに使ってレモンやオレンジなどのフルーツを漬け込むと、見た目も涼しく、美味しく召し上がれます。またローズヒップやローズマリーとブレンドすると、肩こり緩和のハーブティーになりますよ。ハーブティーを出した後に残った花弁は、ご飯を炊くときに入れておくときれいなピンク色のハイビスカスライスが出来上がりますよ。一度お試しあれ! それに浸出液は、肌を中性に保つ収斂性ローションになります。スプレーボトルなどに入れて、化粧水の代わりにしたりお風呂上りに髪にスプレーすると、自然のリンス代わりに使えます。ぜひお試しください。さらに眼精疲労の予防にもオススメ。パソコンを使う機会が多いなど、目の疲れを感じている人はぜひ試してみてはいかが? また冷房による身体の冷えが気になる場合は、少量のジンジャーやスパイスなどとブレンドするのがオススメですよ。加えてお酒を飲みすぎた後や翌朝にもオススメです。
ハイビスカスと言えばクエン酸です。梅干しなどにも大量に含まれていますが、体内に入ることで、筋肉に溜まった疲労物質である「乳酸」の排出にとても効果があるのです。ビタミンCの含有量はローズヒップに及ばないものの、天然のクエン酸やリンゴ酸、豊富なミネラル類が新陳代謝を高めるため、スポーツや仕事による肉体疲労の回復に有効です。1964年の東京オリンピックで、マラソンのアベベ選手がこのお茶を飲んで金メダルを手にしたことから、天然のスポーツドリンクの王様と呼ばれています。運動や暑さで疲労した状態とは、グリコーゲンが消費された状態です。ハイビスカスに含まれる有機酸を糖分と一緒に摂ると、肝臓・筋肉内でのグリコーゲンの補充が促進され、運動前の状態に戻るのが速くなるという研究報告がなされています。ハイビスカスには食欲を増進させる効果も期待できます。体のだるさを感じている人や、疲労感が強い人でも元気が出ることから、夏バテハーブとして使うことができます。ハイビスカスのワインレッドの色素成分は、ブルーベリーの色素と同じアントシアニン系色素と呼ばれるもので、眼精疲労の予防や回復に効果が確認されています。


参考図書
「The Green Pharmacy James A Duke著
「The complete New Herbal Richard Mabey著」
「Botanical Safety Handbook 2nd edittion アメリカハーブ製品協会(AHPA)編集」
「メディカルハーブの辞典 林真一郎編集」
「ハーブの安全性ガイド Chris D. Meletis著」
「薬用ハーブの機能研究 CMPジャパン(株)編集」
「Fifty Plants that changed the course of History Bill Laws著」
「ケルトの植物」Wolf‐Dieter Storl (原著)
改訂新版「日本の野生植物」佐竹義輔、原寛、亘理俊次、冨成忠夫編 
「健康・機能性食品の基原植物事典」佐竹元吉ほか著
「色と咲く順でわかる花の名前事典」長岡求

データベース
Proceedings of the National Academy of Sciences
健康食品データベース 第一出版 Pharmacist’s Letter/Prescriber’s Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳
米国国立医学図書館 PubMed®

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