女性のためのフィトエストロゲンハーブ〜チェストベリー

チェストツリーティー

チェストベリー Chasteberry

チェストベリーは女性の婦人科疾患のケアやホルモン関連の不調の緩和などに利用されるフィトエストロゲンのハーブです。
Phytoestrogen herbs for hormone regulation (Chasteberry)

学名:Vitex agnus-castus (ウィテクスアグヌス-カストゥス)
和名・別名:セイヨウニンジンボク(西洋人参木)、イタリアニンジンボク、ハマゴウ(浜拷)、ミツバハマゴウ(三葉浜拷)、オオニンジンボク(大人参木)、タイワンニンジンボク(台湾人参木)
科名:シソ科
使用部位:果実部


植物分類と歴史

チェストベリーは、中央アジアおよび地中海地方原産の灌木状の低木であるチェストツリー(イタリアニンジンボク)の実です。
主に海浜に自生し、初夏の頃に青い小花を房状に咲かせ、花も薬も実も特徴ある芳香をもっている。未熟果は白色だが、熟すと赤みを帯び、やがて乾燥して灰褐色を呈します。花が香る他、茎葉や果実には腺毛があり、精油を蓄えているため、擦るなどして腺毛を壊すと香りが強くなる。腺毛は背軸面の特に新葉に多い他、未熟果には隙間なく見られます。
チェストツリーの腺毛はミントやセージなどに比べると小さく、葉では毛に埋もれるように存在するため、壊れにくく、香りにくい形態となっています。

チェストツリー

このチェストツリーという名前はこの木が純潔を守ると信じられていたことからついたと考えられている。貞操木と呼ばれる所以でもあります。(中世の修道僧は性欲を減退させるのにチェストベリーを使ったことが背景にある。)
一般的には植物体をチェストツリー、果実をチェストベリーと使い分ける場合が多い。和名はセイヨウニンジンボク(西洋人参木)もしくはイタリアニンジンボクで、高麗人参に似た葉に由来します。
チェストツリーは、かつての新エングラ一体系やクロンキスト体系ではクマツヅラ科に分類されていたが、1998年のAPG体系でシソ科に移されて以降、最新のAPG第4版(2016)でもシソ科に分類されています。
学名はVitex agnus-castusだが、シノニム(異名)があります。このVitex(ウィテクス)属はシソ科の中でも比較的大きな属で『The Plant List』には223種が収載されています。(ウィテクス属には樹高30mにもなる高木もたくさんあり、それらにシソ科というイメージはちょっとわかないが。)
欧州原産のウィテクス属はチェストツリーくらいで、ほとんどが熱帯アジア原産のものが多く、アフリカ原産のものも60種以上知られている。和名のハマゴウ属の植物には、沖縄などの海浜でみられる、ハマゴウ(浜拷 Vitex rotundifoliaや南太平洋地域の海浜に多く自生する、ミツバハマゴウ(三葉浜拷Vitex trzfolia)などがあり、同じく薬用植物として活用されてきました。
学名の由来としては属名のVitexは大プリニウスが名づけ、「結ぶ」や「編む」の意のラテン語vieoを語源とし、籠を編んだことに由来するとされています。種小名のagnus-castusは、本来テオフラストスが名付けた「純潔な」の意のギリシャ語agnosとラテン語で「純潔な」を意味するcastusからなり、純潔を表す語がギリシャ語とラテン語で二重に記されていました。
ところがいつからかラテン語で「子羊」を意味するagnusに解釈が置き換わり、ラテン語で「純潔な子羊」を表すと誤訳されるようになったとされます。英名にはchasteberryの他にも20種類以上の異名があり、西洋における人とのかかわりの深さがうかがえます。chasteberry のchasteは種小名同様、「純潔な」、「貞節な」、「処女の」を意味します。

●修道院とチェストツリー

チェストツリーは現在ではそれほど名前を知られていないが、文化史上は長い歴史を持つ灌木で、ギリシア神話でも重要な役割を演じています。
ゼウスの妻で結婚を司る女神へラは、チェストツリーの茂みで生まれたことになっています。性欲を抑える植物として、昔から修道院とは密接な結びつきがありました。
修道士が制淫剤として、貞潔の誓いを守るためにチェストツリーを使ったので、「修道僧のコショウ」(Monchspfeffer)という別名でも知られています。そのような重要な役目を果たしていたにもかかわらず、修道院の古い本草書にその名をさがしても見あたらないのです。1150年に成立した中世本草学の基本書ともいうべき『Regi-men sanitatis salernitanum (サレルノ養生訓)』によって、ようやくチェストツリーはヨーロッパでよく知られている薬草のひとつに数えられるようになったのです。

サレルノ養生訓
「サレルノ養生訓」(1480年)の扉絵

この『サレルノ養生訓』は、ご存知の方も多いと思いますが、詳しくない方に少し説明します。
イタリア南部の都市サレルノにあった、ヨーロッパ最古の医科大学であるサレルノ医学校(800年ごろ)で、11世紀ごろに記された書物です。この書はヒポクラテスの医学を引き継ぎ、健康・食生活・衛生面と生活すべてについて考察された書でした。ラテン語の詩の形で記されているものの、医学校の評判が上がるにつれてヨーロッパ各国の言葉に翻訳され、なんと1500版も重ねられました。
サレルノでは、古典のギリシャ・ローマの医学を研究する中で、人間の健康に関する自然哲学も盛んになり、医学が発展してきました。そして、11世紀末にはアラビア医学の影響も受け、ハーブの研究も行われました。その中でチェストツリーは、もっぱら性欲を抑える植物として研究されていたようです。

ところで当時のヨーロッパでは、ハーブなどの研究は修道院以外では認めらないという背景がありました。それには根強いキリスト教との関係が存在します。ローマ帝国の崩壊以降の中世ヨーロッパは「暗黒の中世」とも呼ばれ、キリスト教の権威を守るため、ケルト民族のヒーラー(薬草師)たちが植物を使って人の怪我や病気を治すことは、神を冒涜する行為として、当時のローマ法王が異端としていたのです。
そのためかつての古代ギリシャ時代のヒポクラテスなどの賢人たちの植物研究が停滞していました。唯一修道院だけが密かに植物を育て、その植物の成分を使った製剤により、傷を癒すことを許されます。よくこのコラムでご紹介しているドイツの植物学の祖とも言われるヒルデガルトも、そんな背景の中、ハーブを使った治療を修道院で行っていたのです。
修道士たちはそれを神のご加護とし、市民の敬愛を高め、ひいてはキリスト教の権威を守る術の一つとしたのかもしれません。このように修道院の内部において古代のハーブの知識は保存・研究されてきた中世の時代だが、唯一サレルノ医学校だけは、宗教や修道院とは関係なく独自に研究がなされてきた場所でした。

サレルノ医学校で授業をするコンスタンティヌス・アフリカヌス

サレルノ医学校では、当初はアラビア医学を実施として教えていたが、12世紀になると、こうした病院での実地の知識が培われ、古典の翻訳ではない独自の教科書が作られます。
マッテオーオ・プラテアーリオ(Matteo Plateario)が著した薬草に関する書籍『De simplici medicina(シンプルな医学)』は、その代表的なもので、14世紀までにはイタリア以外のヨーロッパにも広がり、薬草を扱う者たちへもハーブの知識を伝えるものとなりました。彼は植物を取り寄せ研究していた医師・植物学者で、薬草487種類と、植物1972種類について書き記しました。

サレルノの植物園にて生徒たちへ薬草について教えるマッテーオ

安全性と相互作用

安全性:クラス1(適切な使用において安全)
相互作用:クラスA(相互作用が予測されない)
(Botanical Safety Handbook 2nd edition アメリカハーブ製品協会(AHPA)収載)


学術データ(食経験/機能性)

ウィテクス属は人とのかかわりの深い種があり、高さ20mに達するような高木の多くが建材や家具、道具、日用品、薪などに木材利用されている他、いくつかの種では直径1.5cm以上になる果実を生食、あるいはジャムやアルコール飲料などに加工している。また中国伝統医学やアーユルヴェーダ、ユナニ医学をはじめとする伝統医療で果実や枝葉、樹皮、根などを薬用としている種もある。漢方では西洋のチェストベリーは利用されないが、アジア産のハマゴウを蔓荊(マンケイ)、オオニンジンボクを布荊(ボケイ)、ニンジンボクを牡荊(ボケイ)、タイワンニンジンボクを黄荊(オウケイ)として、さまざまな治療に用いられている。他の伝統療法においても、これらのニンジンボクの種類が利用されているので、簡単にまとめておく。

●ハマゴウ、ミツバハマゴウ(蔓荊)

アーユルヴェーダやユナニ医学では、駆虫、傷の治癒、鎮痛、抗ウイルス、肝臓保護、殺菌、去痰、発汗、利尿、収釣、解熱、催乳、通経などに用いられる。
またクック諸島やサモアでは葉を女性の病気や解熱、蚊よけなどに用いられる。わが国では『本草和名』(918頃)に「波末奈美比」、『倭名類緊抄』(934頃)に「ハマハヒ(波末波非)」、『本草綱目啓蒙』(1806)にハマハヒ、ハマシキミ、ハマカヅラ、ハマゴウ、ハマツバキ、ホウ、ホウノキ、ハマバウ、ハマハギ」とある。漢方の中薬では主としてハマゴウが流通する。
果実を蔓荊子と呼び、感冒、頭痛、歯痛、目の充血やかすみ、目睛内痛、関節炎による手足のしびれなどに用いる他、茎葉を蔓荊子葉と呼び、打撲傷や神経性頭痛、刀傷の出血、打撲傷、リウマチの疼痛などに用いられる。

●タイワンニンジンボク(黄荊)

フィリピンやスリランカなどの伝統療法(ジャムウ)では、テング熱やリウマチの緩和、分娩後の改善などに用いられる。
アーユルベーダやユナニ医学においては、解熱、鎮痛、抗毒素、抗ウィルス、肝臓保護、殺菌、堕胎、分娩後治療、避妊、去痰、利尿、収釣、催乳、通経などに用いられるが、特に茎は中絶、煎剤で百日咳に用い、葉は風邪や熱、頭痛、骨折、捻挫、腸炎、湿疹、下痢、結膜炎、駆虫に、粉末を茄でて、額に乗せて頭痛に、乾燥葉粉末を燻煙吸入して喘息に、搾汁液や煎剤を傷や潰瘍、体膨張、リウマチ、慢性関節リウマチ、関節炎に、若葉粉末をミルクと一緒に堕胎に、マスタードオイルに混ぜた抽出物でマッサージをして解毒に、噛んで咳や風邪に、ベッドにして腰痛、痛風、坐骨神経痛にと多岐に渡る。
また果実は咳や喘息、下痢に、乾果を駆虫に用いる。種子はラドゥー(菓子)に入れ焼かれて性的に弱い人や淋病治療に用いられる。花は下痢に、根と茎は咳や気管支炎、熱に、根は蛇や鼠除けに用いられる。といった具合に使用部位もほぼ全草に利用価値がある。
なお、オオニンジンボク「布荊(ボケイ)」は主に漢方で使われ、

中薬として果実を牡荊子と呼ばれ、咳、喘息や暑気あたりによる発熱、胃痛などに、
根は牡荊として、風邪や頭痛、マラリア、関節リウマチ痛に、茎を牡荊茎と呼び、感冒やリウマチ、喉痺、直腫、歯痛に、
葉を牡荊葉と呼び、感冒、癌気腹痛吐濱、痢疾、リウマチ痛、脚気、足の真菌感染に、茎汁を牡荊還と呼び、めまい、喉痺、熱痢、急性結膜炎などに、さらには精油を慢性喘息治療や鎖咳、去痰に用いる。といった具合にアジア各地では伝統療法・医学において幅広く使われてきた経験を持つハーブだ。

さて、ヨーロッパ産のチェストツリーどうかというと、中世の修道院医学においては、主に制淫作用が主たる活用法だったようだ。それは男性社会だったことが起因しているのではないかと思う。
中世の暗黒時代と呼ばれる、約1000年もの長い間、修道院医学においては、修道士の制淫を目的にしか用いられることがなかったのかもしれない。しかしチェストベリーは古代ギリシャ・ローマ時代から、女性の月経症状の緩和のためや母乳分泌促進のためにも使われてきた歴史も持っているのだ。ただそれが修道院の中では、あまり注目されてこなかったため、陽の目に出ることが少なかったのではないだろうか。(あくまで筆者の想像だが)
今日では、世界中で月経前症候群などの月経に関する症状や更年期障害の症状、ある種の不妊症やざ瘡(にきび)に対して、民間療法または伝統療法、あるいはサプリメントや医薬品の原料として使われている。
日本でもチェストツリーにビタミンB6、カルシウムを配合したサプリメントや日本で唯一の月経前症候群(PMS)治療薬である、OTC医薬品「プレフェミンとして流通しているのはご存知のことだろう。
女性の不定愁訴のケアのハーブで医薬品レベルまで使われているハーブはそれほど多くない。その不調症状の研究は結構古くから行われているので、その経緯について簡単にまとめてみた。

●女性の不調症状の研究

チェストツリーの女性の月経に関する研究は、意外と古い。
また古代ギリシャのヒポクラテス(B.C.460年—377年)は膵臓の治療に使用するとともに、「子宮からの出血には葉を浸したワインを飲ませる」と女性の月経について記している。テオフラストス(B.C.371年—287年)は、『Enquiryinto plants』の中で「agnos」として紹介している。
大プリニウス(22/23年-79年)は「vitex」と呼び、『Naturalis Historiae』の中で、「テスモポリア祭の際に、欲望の熱を冷ますために、女性が茎葉を寝具として使った」と記している。
ディオスコリデス(40年頃-90年頃)は『De Materia Medica libriquinque』の中で果実の鎮静作用と子宮の炎症にその効果を記している。またイングランドの詩人で英詩の父、ジェフリー・チョーサー(1343年-1400年)は『The Flower and the Leaf』の中で、「月の女神で処女神Dianaの象徴」と称している。
医師で博物学者のウィリアム・ターナー(1508–1568)は雌のラットによる動物実験で、「月経を遅らせる効果はチェストベリーの菓や樹皮よりも果実で高い」ことを報告した。
その後、1941年-1943年にドイツで第二次世界大戦による爆撃でストレスを受けた女性に対するチェストベリー果実の母乳分泌促進効果の臨床試験結果が発表されたことでチェストベリーの医学的研究が一気に進む。以降、ドイツでは婦人科系疾患に対するチェストベリーの効果についての研究が進み、今日では特にPMS治療などに用いられている。

●チェストベリーの機能性

チェストツリーの果実であるチェストベリーには脂肪酸、イリドイド配糖体(特にアウクビン)、フラボノイド(ビテキシンなど)などが含まれ、月経前症候群(PMS)、月経痛、月経不順、そして更年期の症状など女性の不調の改善や催乳などに用いられてきた人気の高いメディカルハーブであり、米国のブラックコホシュ(Actaea racemosa)と共に女性のためのハーブの代表的なものといえる。

アウクビン
アウクビン(Aucubin)
ビテキシン(Vitexin)

その機能発現のメカニズムについては、脳下垂体への作用により黄体形成ホルモン(LH)の分泌の増加や卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌抑制に影響を与えることが知られる。黄体ホルモンの一種である「プロゲステロン」が不足することにより、卵胞ホルモン「エストロゲン」とのバランスが崩れると、婦人科系の異常の原因になるわけだが、チェストツリーの有効成分は、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモンの生産を増やすことで、「プロゲステロン」の分泌を促し、ホルモンバランスを正常化させる。
そのため黄体の機能不全による月経過多や乳房の張り、水分滞留によるむくみや生理時のニキビや口の疱疹などにも用いることができる。またエストロゲン受容体、そしてドーパミンやエンドルフィンなどの神経伝達物質への関与などが示唆され、これらは女性ホルモンのバランスにかかわる不調の改善への効果の要因であると考えられている。
さらに最近では子宮筋腫や子宮内膜症、不妊症への適応も試みられている。
特にPMSに対する有効性は、ホルモンバランスの不具合に起因する女性の不調に輻広く活用され、前述のように、サプリメントのみならず、医薬品原料としても活用されている。チェストツリー抽出物を含むハープ製剤は、ヨーロッパでは月経前症候群(PMS)の女性に広く使用されているが、こと日本人を対象とした臨床研究の報告はこれまでなかったが、2014年に報告された臨床研究を紹介しておく。

●PMSに対するチェストツリー抽出物の有効性と安全性

いくつかの医療施設において、18から44歳のPMSの症状をもつ日本人女性69名を対象とし、20mgの抽出物を含む製剤を1日1回、3回の月経周期で摂取したところ、最初の月経周期の後、VAS(Visual Analogue Scale)の合計スコアが有意に減少した。さらに2番目の月経周期でもスコアは減少し続け、その結果PMSの10の諸症状スコアのそれぞれが大幅に減少した。という結果報告がある。この結果によりチェストツリー抽出物は、実質的な有害事象を見ることもなく安全に、日本人のPMS症状を改善したことが示唆された。PMSの症状緩和にチェストツリー抽出物を活用することが選択肢の一つとして期待できるのではないだろうか?
Murnocdn M. et.al. Efficacy and safety of Vitex agnus-costus extracl for trreatment of premenstrual syndrome in Japanese patients; a prospective, open- label study. Adu Ther.2014; 31(3):362-373.

●フィトエストロゲンにかかわる作用

植物が生合成する物質のうち、摂取した体内で内分泌された女性ホルモンのような機能を有する物質のことをフィトエストロゲンというが、女性のためのメディカルハープでは、それらのもつエストロゲン様作用や抗エストロゲン作用が不調の改善に大きくかかわっていることが示唆されている。大豆やレッドクローバーなどマメ科の植物のイソフラボンやゴマ、アマ、穀類などに含まれるリグナンはその代表的な機能性成分として知られるが、チェストツリーについてもエストロゲン受容体への影響を示唆するいくつかの論文があるので、一つを紹介しておく。
閉経後の女性ではエストロゲンのレベルが低くなり、それが学習と記憶力が減退することの大きな要因と考えられている。フィトエストロゲンは生体内エストロゲンと比較して力価が小さいことから、フィトエストロゲンを有するハーブはホルモン補充療法と比べて副作用が少ないことが考えられ、更年期障害に関連する認知機能低下を防ぐために活用することが望まれている。この研究では、卵巣切除により閉経後のモデルとなるラットを対象にチェストツリーの認知機能への有効性とそのメカニズムが検討された。結果としては、チェストツリーまたはエストラジオール投与によりステップスルー受動回避試験で、対照群と比較してより、優れたパフォーマンスを示し、またERα(海馬エストロゲン受容体α)の海馬mRNAレベルが増加し、卵巣切除ラットの子宮重量の減少が抑えられた。という結果が得られた。これらの結果より、チェストツリー抽出物は卵巣切除ラットの学習と記憶を改善することが確認され、チェストツリーの学習と記憶に対するプラス効果は、海馬でのERα遺伝子発現の増加と関連していることが示唆されている。
Allahtavakoli M. et.al., Vitex Agnus Castus Extract Improves Learning and Memory and Increases the Transcription of Estrogen Receptor a in Hippocampus of Ovariectomized Rats. Basic Clin Neurosci. 2015:6(3): 185-192.

チェストツリーを摂取する際の注意点

チェストツリーの1日あたりの目安摂取量は30~40mgとされている。特に妊娠中・授乳中や婦人科系疾患のある人、子どものチェストツリーの使用や、経口避妊薬との併用は避けるべきだ。またチェストベリーは脳内のドーパミン系に作用を及ぼす可能性があるので、ある種の抗精神病薬やパーキンソン病薬などのドーパミン関連薬を服用している人は、チェストベリーの摂取を避けるべきとされる。
ところで多くの女性が悩まされるのが、生理時の不快感だそうだ。鎮痛剤が効くのは痛みだけだという。(私には残念ながら経験がないので、伝聞で申し訳ない。)今まで抑えられなかった。このような「精神的症状」などは、ハーブを上手に使い、人間が本来持っている自然治癒力で改善できたらベストじゃないだろうか。


(文責 株式会社ホリスティックハーブ研究所)


【参考文献】 
「ハーブの歴史」ゲイリー・アレン著
「基本ハーブの事典」北村佐久子著 東京堂出版
「中世の食生活」B・A・ヘニッシュ著 藤原 保明 訳
「修道院のレシピ」猪本 典子著 
「修道院の薬草箱」ヨハネス・G・マイヤー、キリアン・ザウムほか著
「ヒルデガルトのハーブ療法―修道院の薬草90種と症状別アドバイス 」ハイデローレ・クローゲ著
「大地の薬」スザンネ フィッシャー・リチィ著
「西洋中世ハーブ事典」マーガレット・B・フリーマン著
「中世ヨーロッパの生活」ジュヌヴィエーヴ・ドークール著 大島誠訳
「日本薬草全書」田中俊弘著 新日本法規
「漢方実用大事典」学習研究社
「健康・機能性食品の基原植物事典」佐竹元吉ほか著
「メディカルハーブの辞典」 林真一郎編集
「薬用ハーブの機能性研究」 健康産業新聞社
「The Green Pharmacy」 James A Duke著
「The complete New Herbal Richard Mabey著
「Botanical Safety Handbook」アメリカハーブ製品協会(AHPA)編集
 Proceedings of the National Academy of Sciences
 NIH National Library of Medicine’s MedlinePlus

【参考文献】
・Chaste tree fruit. In: Blumenthal M, Goldberg A, Brinckman J, eds. Herbal Medicine: Expanded Commission E Monographs. Newton, MA: Lippincott Williams & Wilkins; 2000:62–64.
・Chasteberry. Natural Medicines Comprehensive Database Web site. Accessed at www.naturaldatabase.com on August 14, 2009.
・Chasteberry (Vitex agnus-castus). Natural Standard Database Web site. Accessed at www.naturalstandard.com on August 14, 2009.
・Mahady GB, Dietz B, Michel JL. Chasteberry (Vitex agnus castus). In: Coates P, Blackman M, Cragg G, et al., eds. Encyclopedia of Dietary Supplements. New York, NY: Marcel Dekker; 2005:95–103.

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