ハーブの働き

ハーブの働き

ハーブの中でも、有効成分が科学的に証明されているハーブをメディカルハーブと呼びます。アメリカの「ハーブ製品協会」では約650種類の安全性にランクをつけていますし、ドイツの「コミッションE」でもハーブを医薬品として認めるうえで通常のハーブとメディカルハーブを区別しています。
注)ドイツコミッションEとは、ドイツ連邦保険庁にある専門委員会で、ハーブを医薬品として利用する場合の効果と安全性を協議する、世界的権威をもつ委員会です。ドイツ連邦保険庁は日本でいえば、厚生労働省に該当します。

このように欧米、特にアメリカやドイツを中心に科学的な観点からハーブの有効性について認められています。そしてメディカルハーブには、下記の5つの働きがあり、それぞれが個別に働くのではなく、ハーブに含まれる成分が相乗効果を生み、健康の維持に役立てられています。日本ではハーブはまだ食品扱いですが、欧米では医薬品として認められているハーブも多く存在しています。

植物の5つの働き

1. 抗酸化作用

細胞の酸化(老化)を抑える作用。光合成を行う植物は紫外線によって起こる酸化を防ぐ為ために、自らの内部に抗酸化物質を作り出すため、有効成分の多くに抗酸化性があるのです。中には「ローズマリー」のように一般の食品に酸化防止剤として使用されている添加物より効力が強いメディカルハーブもあります

2. 生体防御機能調節作用

私たちの体には、自律神経系、内分泌系、免疫系という3つの系統を働かせて、心身の状態をバランスよく保とうとする機能があります。この機能を調節する作用のことで、免疫賦活(ふかつ)作用、神経への鎮静作用、ホルモン分泌調整作用などがあります。メディカルハーブの有効成分には、これらの人間の生防御機能を調整してくれる働きを持つ成分も多く存在します

3. 抗菌・抗ウィルス作用

植物が病原菌などから自らを守るために作り出した物質の機能をそのまま人に応用できます。感染の予防などにも役立ちます。風邪の予防に「エキナセア」、ひいてしまったら、「エルダーフラワー」と言われるほど、ハーブティが予防に役立っています

4. 薬理作用

薬と同じような作用で、消炎作用、鎮痛作用、鎮けい作用(筋肉の緊張を和らげる作用)などがあります。この作用を発揮する成分が、植物から抽出され、合成されて医薬品に使われているのです。

5. 栄養素の補給

植物には、御存知の通り多くの栄養素が含まれています。特に人間は作ることの出来ない必須脂肪酸を始め、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを人は植物から取り入れます。他の作用とは意味合いが違いますが、非常に重要な機能です。

このように、ハーブというと一見、趣向品のように思われがちですが、実は、多くの国で古代より、伝統的に利用されてきた実績をもち、かつ植物の有効成分が科学的に解明され、安心して健康維持に役立たせることが出来るもっとも身近な代替療法の一つなのです。

最近、代替医療の分野で「医薬品を白い薬」、「植物ハーブや生薬などを緑の薬」と呼ばれるようになった由縁なのです。

 

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