スパイスとハーブの違いってなに?

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スパイスとハーブの違いって?

よく聞かれるテーマですが、厳密に明確な定義はないようです。

植物学的には、一般に、植物の葉や花などをハーブと呼び、樹皮や種子、実、根などをスパイスと呼ぶという説があります。あるいは、香りを持つ植物をハーブと呼ぶとか諸説ありますが、これといった定説になっているものはなさそうです。

例えば、肝臓デトックスに最適なたんぽぽコーヒーは、ダンデライオンの根を煎じたものですが、根ではあるものの「スパイス」とは言われません。また逆に、エスニック系のカレーには必ず使われるクローブは、一般的にはスパイスに分類されるのが常ですが、カレーに利用される部位(硬い釘のような形)はクローヴの花の蕾(つぼみ)なので、植物的な分類ではハーブに入れてもいいはずのものです。

ハーブとスパイスの区別として「スパイス」という言葉は料理の中で使われることが多いという傾向もあります。料理に香味付けとして利用するため、強い刺激のある香りを持つものが、スパイスと呼ばれる習慣があるようです。

一方ハーブは、香りはもちろんあるものの、特に昨今の傾向では、健康に有用な効果のある成分を含む植物、という意味で認識されやすく、香味よりもタンポポ茶のように成分や効果に注目した場合に「ハーブ」と呼ばれている傾向があるようです。

このように利用用途によってハーブとスパイスの呼び名が区別されている例は、他にもあります。

英語のハーブは「薬草、香料植物」という和訳され、スパイスは「香辛料」と訳されることがまさに、ハーブとスパイスを用途の違いで上手く翻訳していると言えそうですね。

さらに歴史的には15世紀の大航海時代を境にして、ヨーロッパでは自国内で栽培できる植物の部位をハーブと呼び、輸入される植物の部位をスパイスと呼ぶ慣わしもあったようです。

寒い気候のヨーロッパでは育たない熱帯地域に自生する植物などは輸入品として貴重で、これらを「スパイス」と呼ぶようになったようです。実際、植物に含まれる風味を出す化合物は、スパイスのほうが濃く含んでいるという事実もあります。熱帯地域特有の過酷な気候の中で育まれた植物が持つ、自己防衛のための強い有効成分ともいえます。

また、国によって同じ植物の部位の利用方法が異なることもあります。
例えば、コリアンダーの葉は、ヨーロッパでは香りと薬味のあるハーブという位置づけですが、ベトナムではコリダンダーの葉は野菜であり、料理に食材として利用されます。さらにタイでは、コリアンダーは葉、茎、根で別々の名がつけられ別の食材として利用されてもいます。

もともとコリアンダーはヨーロッパでも、葉はハーブとされ、種子はスパイスという位置づけです。このように、同じ植物でも部位によってハーブとスパイスの区別が異なることも珍しくありません。このように、ハーブとスパイスを厳密に分類するのは、植物学的には厳しいのですが、ハーブ・スパイスを人類が利用してきた歴史の中で、その用途により、また時には利用される地域(国)により、用途や分類が変わってくるのは大変興味深い点です。

主に薬効が期待されるハーブにかぐわしい香味が楽しめたり、逆に料理に伝統的に使われるスパイスに強い薬効があり、この薬効を知った上で古(いにしえ)から料理に取り入れられていたり、とハーブとスパイスはその目的からもとても縁が深く厳密に区別できないものなんですね。

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